子 供
(小、中、高校時代、6〜18歳くらいまで)
■起こりやすいお口の病気
「歯がはえかわってきたよ」
■お口の手入れ方法
「6歳臼歯って大切なんだね」
学齢期は、乳歯と永久歯が混在している状態で混合歯列期と呼ばれます。乳歯から永久歯への交換は6歳頃から始まり、最終的には、成人前後に生えてくる第三大臼歯(親知らず、智歯)を含め、左右16本、上下顎合わせて32本の永久歯が生えてきます。

混合歯列期のむし歯
この頃の永久歯は生えてまもないので「幼若永久歯」と呼ばれます。
特徴:成人の歯と比べると柔らかく、酸に対する抵抗性が低い。歯根も未完成で、一度むし歯になると刺激が歯髄に伝わり易く、進行が速いので、生えてまもなくむし歯にかかる傾向があります。
予防:基本はブラッシング。むし歯になり易い歯の溝を予防的に埋めたり(フィッシャーシーラント)、フッ化物を応用したり、規則正しい食生活を行います。
また、歯石等のブラッシングでは取れない沈着物は歯科医院で専門的に取り除く処置を行い、プラークコントロールに努めることが大切となります。

混合歯列期の歯肉炎・歯周炎
歯肉にだけ炎症が見られるものを「歯肉炎」といい、学齢期に多く見られます。原因は歯垢(プラーク)です。健康な歯肉はピンク色をしていて引き締まっていますが、歯肉炎になると赤く腫れてきて、ぶよぶよしてきます。また、歯茎から血が出やすくなってきます。こうした歯磨きの不良による一般的な歯肉炎は不潔性歯肉炎と呼ばれますが、他にも次のようなものがあります。

萌出性歯肉炎
歯が生えるとき一時的に見られる歯肉炎で、萌出中の歯の周囲の歯肉が赤い線状 をしてきます。自覚症状はほ とんどなく歯の萌出が進むと自然になくなります。

思春期性歯肉炎
小学生高学年、中学生に見られ、ホルモンの変化が関係していると言われ、清潔 な状態でも起こります。

若年性歯周炎
頻度は少ないのですが13歳〜15歳頃に発生し、前歯と第1大臼歯周辺の歯槽骨の 著しい破壊が特徴です。

歯並び・噛み合わせ
混合歯列期は永久歯が生えてくる時期であり、歯ならび、矯正治療の問題など歯の一生にとって、重要な時期です。

叢生(らんぐい歯)
歯並びの異常で一番多く、歯並びがでこぼこした状態です。顎の大きさに比べて歯の幅の総和が大きな状態です。特に犬歯が歯列からははみ出している八重歯は、乳臼歯のむし歯、早期の喪失などが主な原因として考えられますが、歯列弓の形態が狭窄した形態をとることも原因の一つです。

空隙歯列弓
叢生とは逆に、すき間だらけの状態。通常の乳歯によく見られる生理的な場合と、すき間が大きい歯列異常と考える場合があります。

上顎前突
下あごに対して、上のあごや歯が突出した状態で、歯だけが出ている場合と、あごも一緒に出ている場合とがあります。


下顎前突(反対咬合)
下の前歯が上の前歯よりまえに出た状態を言います。上下の前歯の先端がちょうど合った状態(切端咬合)も 反対咬合の一種です。反対咬合は骨格的に問題がある場合が多く、下あごは身長の伸びとほぼ同じ時期に大きくなるので、思春期成長とともに反対咬合の程度がひどくなることが多いようです。


上下顎前突
歯ならびが良くてきれいに噛んでいても、上下の歯列が前に出てしまっていて、リラックスした状態で口を閉じることが出きません。

過蓋咬合
前歯の噛み合わせが噛みこみすぎている状態のことを言います。

開咬
奥歯の数本だけが噛んで前歯が噛めない状態のことと言います。


交差咬合
下あごが左右どちらかにずれて噛んでいる場合を言い、臼歯の萌出方向が正しくないためや、片側噛み、頬杖 などの不良習癖によって起こります。


歯並びが悪いと、歯ブラシが細かいところまで届きにくくむし歯や歯肉炎・歯周病の原因にもなります。さらに物を噛む咀嚼効率が低下し、消化器系全体の負担が増します。もちろん、顎の骨、筋肉の発達も阻害され、成長発育に影響を及ぼします。また、反対咬合や開咬の場合、サ行やタ行などの発音がしにくくなります。しっかりした噛み合わせが脳に良い刺激を与えることなど咬合と全身との関係が最近よく言われていますし、歯ならびの悪さが劣等感など心理的に影響することは明らかです。

 起こりやすいお口の病気
 起こりやすい歯とお口の病気
●6歳臼歯はとっても大切(咬合の鍵)
第1大臼歯は歯列の中で、最も大きい永久歯で噛む力が一番かかります。そして、歯ならびや噛み合わせに関して、乳歯列から永久歯列に交換する学齢期において、大変重要な位置を占めている歯なのです。長い人生の中で、この第1大臼歯を失うのが早ければ口の機能が衰えるのは当然なことです。噛むことの鍵、歯全体の運命を握っていると言っても過言ではないのです。

●第1大臼歯(6歳臼歯)のむし歯
第1大臼歯は最も大切な歯なのですが、実は最もむし歯になり易い歯なのです。6歳頃は自分で自分の歯を守る気持ちはまだ芽生えていません。また、生えてきたばかりの幼若な永久歯で、むし歯に対する抵抗力は弱いと言えます。またこの6歳臼歯は磨きにくい位置にあること、噛む面の溝が深く複雑な形をしていることから、歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れがたまりやすくむし歯にとてもなりやすいです。

●学齢期におけるむし歯予防
●日常生活におけるむし歯予防
●歯みがき・プラークコントロールの徹底
歯垢(プラーク)がつきやすい部分、どこが磨き残しやすいのか、よく確認して 磨き残しがないようにすることが大切です。歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけ では完全に取り除くことができないのでデンタルフロス(糸)や糸ようじを使い ます。

●シュガーコントロール(砂糖の摂取量制限)
むし歯の発生は砂糖の摂取量と関連が非常に深いと言えます。現代の食生活にお ける砂糖の氾濫を考えると、むし歯の予防だけではなく、全身の健康を維持して いくためにも砂糖の取り過ぎに注意する必要があります。また、おやつ(間食) をだらだら不規則に食べることはやめ、時間と食べる量(砂糖の量)を決めてと る習慣を低学年のうちから付けておくことが必要です。

●好き嫌いのない食生活、よりよい生活習慣
最近の学齢期の食べ物に対する好き嫌いは、単に味覚だけの問題ではなく、歯ご たえのある硬い食品、繊維性のものなどをさける傾向にあります。歯や顎の成長 発育、口の自浄作用、歯肉の病気の予防などとともに、生涯を通じた健康のため にも偏食のないバランスのとれた食事ができるような環境づくりが必要です。
  むし歯は生活習慣病であり、不規則な生活が大きな要因でもあります。睡眠、食 事、運動など健康で望ましい生活習慣を身につけることは、歯の健康上も大切な ことです。

●専門的なむし歯予防(歯科医院による予防的治療)
学齢期は幼若な永久歯が多い時期で、むし歯になりやすい状態であることは言うまでもなく、この時期の専門的なむし歯予防はとても重要であるといえます。予防法として一般的には、フッ化物を用い歯質をむし歯による酸に対して強くしたり、むし歯になりやすい奥歯の溝を合成樹脂等でふさいでしまうシーラント(予防填塞)があります。また専門家(歯科医)による歯面清掃や歯磨き指導、生活指導などがあります。年齢や環境を考慮した計画的な予防が必要となり、そのためには、定期健診が大切となります。
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