釧新コラム ワッハ 歯!

〜健口100年時代〜 釧新コラム02
「ブラキシズム」ご存知ですか?

 
 「ブラキシズム」をご存知ですか?
 あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、『歯ぎしり』や『咬みしめ』のことを総称して「ブラキシズム」と歯科用語で言います。その「ブラキシズム」で歯を失うことがあるのを知ったら、怖くなりませんか?
 昔から「歯を食いしばる」とか「歯ぎしりをする」と言う言葉は「我慢をする」とか「イライラする」というような意味で、日常的に慣用句として使われてきました。
 歯には食べる、発音するという役割のほかにも、歯ぎしりをすることで精神的なストレスを発散させる役目もあると言われています。けれども、過度の「歯ぎしり」や「咬みしめ」はギリギリ音が鳴って周囲の人に迷惑をかけるというだけではなく、口の中や周囲の組織に大きな影響を及ぼし、歯を失う原因にもなります。そのことは残念ながらまだあまり知られていません。
 「ブラキシズム」は睡眠中の無意識下で行われることが多く、毎晩や時々行われるので気づきにくい状況にあります。以下のような症状はありませんか?
 ・頭痛がすることが多い
 ・肩こりがひどい
 ・歯の詰め物、被せ物がたびたびとれる
 ・むし歯でもないのに、歯がしみることがある
 ・あごの関節に痛みがあったりカクカク音がなる
 ・歯が割れた(折れた)ことがある(事故・ケガを除く)
 ・朝起きた時、口周囲にこわばりがある
 ・朝起きた時、口の中に砂を咬んだようなジャリジャリした感じがある
これらの症状がある方は要注意です。
 先日も当医院に来院された方で、歯や歯周組織の状態からブラキシズムの存在を確認してお伝えをしたのですが、多くの方の場合と同様、自覚がなく、半信半疑のまま帰宅することになりました。
 自宅で上記の症状をあらためて確認してもらうと、今まで無意識に感じていたことが意識することで気づいたり、家族に「歯ぎしりをしていると言われた」という方が多くいらっしゃるのです。気づきにくい「ブラキシズム」に気づく!ことが大切です。
 対処法につきましては、程度や個人差・年齢差もありますので、歯科医院にてご相談されることをお勧めいたします。
 「ブラキシズム」のことをもっと知っていただくことで、歯を守り、いつまでもご自身の歯で美味しく食事をし、明るい笑顔、楽しい人生を送っていただきたいというのが、私たち歯科医師の「願い」なのです。
 
(釧路歯科医師会 理事 髙田 敬万)