お年寄

■お口の中は加齢と共にどうなっていくでしょう
●歯
高齢になると歯やその周囲の歯肉、骨も、加齢による変化がみられます。歯の表面は徐々にすり減ってきます。
また、一般に神経と言われる歯髄組織は、年齢とともに狭く、小さくなります。これらの加齢変化のため、歯髄の疾病に対する防御機能、回復力は低下し、歯髄腔が狭くなるため歯の治療に困難をきたす場合が少なくありません。
●歯周組織
歯肉は弾性が低下し、張りがなくなります。歯肉退縮がみられ、歯根が露出します。
このような変化とともに、加齢にともなって歯周病の発症頻度は高まり、歯の喪失率も高まる傾向にあります。
●だ液
高齢にともなう唾液分泌量の現象は、味覚異常や感染防御機能の低下を意味し、感染症にかかりやすい状況になっていることになります。
●老人性肺炎と口腔細菌
口の中には300種類を超す細菌がすみついています。高齢者の直接的な死亡原因として最も多い疾患は老人性肺炎で、ほとんどが誤嚥(食物が口腔細菌と一緒に誤って気管に入ること)によって発症しています。